交通事故の被害者が請求できる損害賠償

交通事故の被害者は加害者に対して損害賠償を請求することができます。損害賠償額は、事故の状況や、被害者の怪我・生死の状況によって異なります。

損害賠償金を正確に請求するためにも、損害賠償の請求先や、その内訳などの詳細を知っておきましょう。

目次

損害賠償とは?

交通事故の損害賠償とは、交通事故で被害にあった人が、交通事故のおかげで不都合が生じたことに対する補償です。示談金とも言います。事故の内容によっても内容が異なる上に、幾つかの項目に分かれているので、すべてを把握して、請求できるすべての損害賠償を請求するようにしましょう。

傷害事故
  • 治療費関係
  • 休業損害
  • 入通院慰謝料
後遺障害が残った場合
  • 治療費関係
  • 休業損害
  • 入通院慰謝料
  • 逸失利益
  • 後遺障害慰謝料
死亡事故
  • 死亡するまでの治療費や休業損害
  • 葬儀費用
  • 逸失利益
  • 死亡慰謝料
物損事故
  • 修理可能な場合は修理費用
  • 休車費用・代車費用
  • 買い替え費用
交通事故の損害賠償

損害賠償は誰に請求するの?

被害者が加害者に請求しますが、ほとんどの場合、加害者当人とやり取りするのではなく、加害者側の保険会社の人とのやり取りになります。保険会社の人間はこの道のプロ。会社の利益にならないことは極力避ける方向で交渉してきます。つまり、損害賠償金をなるべく安くしようとしてくるのが普通です。適正価格の損害賠償を得るには、交渉する以外に方法はありません。自分で交渉することもできますが、専門的な知識が必要なのと、事故後の大変な時期に自分で交渉するのは精神的・肉体的負担が大きいということで、最近では交通事故案件に強い弁護士に依頼する人が増えています。

加害者以外に請求できるパターン

損害賠償の請求は基本は加害者に行いますが、以下の場合は加害者以外の第三者に請求することができます。

  • 自動車の運転者と所有者が別な場合、所有者にも請求可能です。この場合、両方に請求できるということではなく、どちらか片方に請求することができます。
  • 未成年者の場合、親に対して請求することができます。
  • 加害者が就業中であれば、勤務先の会社に対して請求可能です。対会社の方が損害賠償が取りやすいといわれています。

損害賠償はいつどのタイミングで請求するの?

怪我の治療費用などは、治療終了後にならないとわからないので、治療の終了、後遺障害の有無の確認が終了しなければ、最終的な賠償額は算出できません。

しかしながら、治療途中で自賠責保険に対して「」と「」を請求することは可能です。

損害賠償の請求には時効がある!

交通事故の損害賠償請求権には時効があります。何もせずにそのまま放置していると、時効によって請求権が消滅してしまうので注意が必要です。

加害者が判明している場合

交通事故から3年間。

加害者が後で判明した場合

加害者が判明したときから3年間。

加害者が不明な場合

交通事故から20年間。

保険会社に対して

交通事故から3年間。

治療が長期化した場合

症状固定と診断されてから3年間。

後遺障害が残った場合

後遺障害が確定してから3年間。

時効を中断する方法

  1. 加害者・保険会社に対して支払いを催告することで6ヶ月間時効期間が延長されます。その間に調停、もしくは訴訟を起こされないと時効が成立してしまいます。何度も中断することはできません。
  2. 加害者・保険会社に対して時効中断の承認を求めます。承認されれば時効期間の進行が中断します。

損害賠償額の相場は?いくらまで請求可能?

損害賠償の額は、各項目毎に基準となる金額があり、事故の内容や被害者の状況をその基準と照らし合わせて決定されます。ただし、基準が三つあるので、どの基準を元に算出されるかは被害者側と加害者側で交渉する必要があります。

自賠責保険基準任意保険基準裁判所・弁護士会基準の三つの基準があり、裁判所・弁護士会基準が最も高額で、自賠責保険基準が最も安いといわれています。加害者側の保険会社が提示してくる損害賠償額は任意保険基準の額以下である場合がほとんどなので、その提示額をいかに裁判所・弁護士会基準に近づけることができるかは交渉にかかっています。

自賠責保険の損害賠償金の限度額は傷害が120万円、死亡が3,000万円となっており、それ以上は任意保険から支払われることになります。

治療費関係

基本的に全額請求可能。

  • 治療費
  • 入院費(室料)
  • 接骨院・整骨院・鍼灸・マッサージの施術代
  • 付添看護費
  • 入通院でかかった交通費
  • 入院雑費

病院での怪我の治療費、入院費(室料)、接骨院・整骨院・鍼灸・マッサージの施術代などは、基本的に全額請求可能です。ただし、部屋が個室だったりした場合、個室である必要性の有無が問われ、必要性が認められない場合は支払われない可能性があります。マッサージなども医師によってその必要性が認められた場合のみ支払いが可能です。交通費も基本的にはバス・電車の運賃でタクシー利用の場合は、その必要性を証明する必要が出てきます。

交通事故の治療のために必要であるという証明が必要になってくるものがあるのでご注意ください。

付添看護費の支払基準

入院や通院の際に付添が必要な場合は、付添看護費を請求することができます。入院付添看護費と通院付添看護費の2つに分けることができます。

それぞれ、請求のための厳格な決まりがあるのと、支払基準が自賠責基準と裁判所・弁護士会基準に分かれています。

裁判所・弁護士会基準自賠責基準
入院付添看護費
看護師などが付き添った場合
全額全額
入院付添看護費
近親者が付き添った場合
5,500~7,000円/1日4,100円/1日
通院付添看護費3,000~4,000円/1日2,050円/1日

入院雑費の支払基準

入院雑費は、入院時に必要な日用品を購入した費用です。基準によって定額化されているので、1,400~1,500円/1日の範囲内であれば、領収書なしでも請求可能です。

基準額を大幅に超える場合は、原則として認められないことが多いようですが、必要性の証明が可能な場合は実費が認められることもあります。

裁判所・弁護士会基準自賠責基準
入院雑費1,400~1,500円/1日1,100円/1日

休業損害

休業損害とは、交通事故で怪我をした被害者が、入院や治療によって仕事を休むことになり、それによって減収した分の損害をさします。加害者に請求することができます。

事故前の1日当たりの収入に、医師の診断書によって確定した休業日数をかけた額が基本請求額となります。

事故前の1日当たりの収入 × 休業日数 = 休業損害

※自賠責保険では、日額5,700円の定額となるので、5,700円を下回る場合は、一律5,700円となります。5,700円を上回る場合は、19,000円を限度として実費の請求が可能です。

サラリーマンなどの給与所得者、主婦、学生・アルバイト、個人事業主など、被害者の事故前の収入状況によって1日当たりの収入額を算出する計算方法が異なってきます。

入通院慰謝料

慰謝料とは、事故によって被害者が受けた精神的な苦痛に対して支払われる賠償金です。事故によって受けた怪我に対する慰謝料は、入通院慰謝料(傷害慰謝料)という形で加害者に請求することができます。

慰謝料の額は、怪我の状況や治療期間などによって定額化されています。

事故発生からまでに対して支払われます。

入通院慰謝料の計算方法

自賠責保険基準
  1. 4,200円/1日 × 実治療日数 × 2
  2. 4,200円/1日 × 総治療日数

実治療日数 × 2が総治療日数を上回る場合は、2番の計算方法を採用。

自賠責保険基準の入通院慰謝料の限度額は、他の賠償金を含めても最大120万円。

任意保険基準

保険会社ごとに異なる。

裁判所・弁護士会基準
単位(万)
上段:原則
下段:むち打ちで他覚症状がない場合
入院1ヶ月2ヶ月3ヶ月
通院53
35
101
66
145
92
1ヶ月28
19
77
52
122
83
162
106
2ヶ月52
36
98
69
139
97
177
118
3ヶ月73
53
115
83
154
109
188
128

後遺障害が残った場合の逸失利益

治療してもこれ以上症状の改善が見込めないと医師が判断した場合、症状固定とみなされ、傷害の損害賠償から、後遺障害の損害賠償へと移行します。

後遺障害の損害賠償は、後遺障害慰謝料と逸失利益が請求できます。

逸失利益とは、将来の労働能力低下によって得ることができなくなった利益のこと。つまり、後遺障害を負ったことで、将来の減収分です。「基礎収入」、「労働能力喪失率」、「労働能力喪失期間に応じた中間利息の控除」から算出します。

基礎収入 × 労働能力喪失率 × (ライプニッツ係数 or 新ホフマン係数) = 後遺障害の逸失利益

基礎収入

原則は前年の収入。

収入がない人は、の男女別全年齢平均賃金に基づいた額。

労働能力喪失率

後遺障害別等級表の労働能力喪失率に基づき算出されます。

等級後遺障害自賠責保険上限労働能力喪失率
第1級
要介護
1.神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの。
2.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの。
4,000万円100%
第1級1.両目失明したもの。
2.咀嚼及び言語機能を廃したもの。
3.両上肢をひじ関節以上で失ったもの。
4.両上肢を全廃したもの。
5.両下肢をひざ関節以上で失ったもの。
6.両下肢を全廃したもの。
3,000万円100%
第2級
要介護
1.神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの。
2.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの。
3,000万円100%
第2級1.一つの眼が失明し、他方の視力が0.02以下になったもの。
2.両眼の視力が0.02以下になったもの。
3.両上肢を手関節以上で失ったもの。
4.両下肢を足関節以上で失ったもの。
2,590万円
第3級1.一つの眼が失明し、他方の視力が0.06以下になったもの。
2.咀嚼または言語の機能を廃したもの。
3.神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの。
4.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの。
5.両手の手指を全て失ったもの。
2,219万円100%
第4級1.両眼の視力が0.06以下になったもの。
2.咀嚼および言語の機能に著しい障害を残すもの。
3.両耳の聴力をすべて失ったもの。
4.片方の上肢をひじ関節以上で失ったもの。
5.片方の下肢をひざ関節以上で失ったもの。
6.両手手指の機能をすべて廃したもの。
7.両足をリスフラン関節以上で失ったもの。
1,889万円92%
第5級1.一つの眼が失明し、他方の眼の視力が0.1以下になったもの。
2.神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務ができないもの。
3.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務ができないもの。
4.片方の上肢を手関節以上で失ったもの。
5.片方の下肢を足関節以上で失ったもの。
6.片方の上肢機能を全廃したもの。
7.片方の下肢機能を全廃したもの。
8.両足の足指を全て失ったもの。
1,574万円79%
第6級1.両眼の視力が0.1以下になったもの。
2.咀嚼または言語の機能に著しい障害を残すもの。
3.両耳の聴力が耳に接しなければ大声を理解することができない程度になったもの。
4.片方の耳の聴力をすべて失い、他方の耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話し声を理解することができない程度になったもの。
5.脊柱に著しい変形または運動障害を残すもの。
6.一つの上肢の3大関節中の二つの関節の機能を廃したもの。
7.一つの下肢の3大関節中の二つの関節の機能を廃したもの。
8.一つの手の五つの手指、または親指および人差し指を含み四つの手指を失ったもの。
1,296万円67%
第7級1.一つの眼が失明し、他方の眼の視力が0.6以下になったもの。
2.両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話し声を理解することができない程度になったもの。
3.片方の耳の聴力をまったく失い、他方の耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を理解することができない程度になったもの。
4.神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務ができないもの。
5.胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務ができないもの。
6.一つの手の親指を含み三つの手指を失ったものまたは親指以外の4つの手指を失ったもの。
7.一つの手の五つの手指または親指を含み四つの手指の機能を廃したもの。
8.一つの足をリスフラン関節以上で失ったもの。
9.一つの上肢に偽関節を残し著しい運動障害を残すもの。
10.一つの下肢に偽関節を残し著しい運動障害を残すもの。
11.両足の手指のすべての機能を廃したもの。
12.外貌に著しい醜状を残すもの。
13.両側の睾丸を失ったもの。
1,051万円56%
第8級1.一つの眼が失明し、または一つの眼の視力が0.02以下になったもの。
2.脊柱に運動障害を残すもの。
3.一つの手の親指を含み二つの手指を失ったものまたは親指以外の三つの手指を失ったもの。
4.一つの手の親指を含む三つの手指の機能を廃したものまたは親指以外の四つの手指の用を廃したもの。
5.一つの下肢の5cm以上の短縮したもの。
6.一つの上肢の三大関節中の一関節の機能を廃したもの。
7.一つの下肢の三大関節中の一関節の機能を廃したもの。
8.一つの上肢に偽関節を残すもの。
9.一つの下肢に偽関節を残すもの。
10.一つの足の手指をすべて失ったもの。
819万円45%
第9級1.両眼の視力が0.6以下になったもの。
2.一つの眼の視力が0.06以下になったもの。
3.両眼に半盲症、視野狭窄または視野変状を残すもの。
4.両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの。
5.鼻も欠損し、その機能に著しい障害を残すもの。
6.咀嚼および言語の機能に障害を残すもの。
7.両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声理解することができない程度になったもの。
8.一つの耳の聴力が耳に接しなければ大声を理解することができない程度になり、他方の耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を理解することが困難である程度になったもの。
9.一つの耳の聴力をすべて失ったもの。
10.神経系統の機能または精神に障害を残し、できる労務が相当な程度に制限されるもの。
11.胸腹部臓器の機能に障害を残し、できる労務が相当な程度に制限されるもの。
12.一つの手の親指または親指以外の二つの手指を失ったもの。
13.一つの手の親指を含み、二つの手指の機能を廃したものまたは親指以外の三つの手指の機能を廃したもの。
14.一つの足の第一の足指を含み二つ以上の足指を失ったもの。
15.一つの足の足指の全部の機能を廃したもの。
16.外貌に相当程度の醜状を残すもの。
17.生殖器に著しい障害を残すもの。
616万円35%
第10級1.一つの眼の視力が0.1以下になったもの。
2.正面を見た場合に複視の症状を残すもの。
3.咀嚼または言語の機能に障害を残すもの。
4.14歯異常に対し歯科補綴をしたもの。
5.両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話し声を理解することが困難である程度になったもの。
6.一つの耳の聴力が耳に接しなければ大声を理解することができない程度になったもの。
7.一つの手の親指または親指以外の二つの手指の機能を廃したもの。
8.一つの下肢を3cm以上短縮したもの。
9.一つの足の第一の足指または他の四つの足指を失ったもの。
10.一つの上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの。
11.一つの下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの。
461万円27%
第11級1.両眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの。
2.両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの。
3.一つの眼のまぶたに著しい欠損を残すもの。
4.10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの。
5.両耳の聴力が1m以上の距離では小声を理解することができない程度になったもの。
6.一つの耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話し声を理解することができない程度になったもの。
7.脊柱に変形を残すもの。
8.一つの手の人差し指、中指または薬指を失ったもの。
9.一つの足の第一の足指を含み二つ以上の足指の機能を廃したもの。
10.胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの。
331万円20%
第12級1.一つの眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの。
2.一つの眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの。
3.7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの。
4.一つの耳の耳殻の大部分を欠損したもの。
5.鎖骨、胸骨、肋骨、肩甲骨または骨盤などに著しい変形を残すもの。
6.一つの上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの。
7.一つの下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの。
8.長管骨に変更を残すもの。
9.一つの手の小指を失ったもの。
10.一つの手の人差し指、中指または薬指の機能を廃したもの。
11.一つの足の第二の足指を失ったもの、第二の足指を含み二つの足指を失ったものまたは第三の足指以下の三つの足指を失ったもの。
12.一つの足の第一の足指または他の四つの足指の機能を廃したもの。
13.局部に頑固な神経症状を残すもの。
14.外貌に著しい醜状を残すもの。
224万円14%
第13級1.一つの眼の視力が0.6以下になったもの。
2.正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの。
3.一つの眼に半盲症、視野狭窄または視野変状を残すもの。
4.両眼のまぶたの一部に欠損を残しまたはまつげハゲを残すもの。
5.5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの。
6.一つの手の小指の機能を廃したもの。
7.一つの手の親指の指骨の一部を失ったもの。
8.一つの下肢を1cm以上短縮したもの。
9.一つの第三の足指以下の一つ、または二つの足指を失ったもの。
10.一つの足の第二の足指の機能を廃したもの、第二の足指を含み二つの足指の機能を廃したもの、または第三の足指以下の三つの足指の機能を廃したもの。
11.胸腹部臓器の機能に障害を残すもの。
139万円9%
第14級1.一つの眼のまぶたの一部に欠損を残しまたはまつげハゲを残すもの。
2.3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの。
3.一つの耳の聴力が1m以上の距離では小声を理解することができない程度になったもの。
4.上肢の露出面に手のひら大の醜い痕を残すもの。
5.下肢の露出面に手のひら大の醜い痕を残すもの。
6.一つの手の親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの。
7.一つの手の親指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの。
8.一つの足の第三の足指以下の一つ、または二つの足指の機能を廃したもの。
9.局部に神経症状を残すもの。
75万円5%
労働能力喪失期間に応じた中間利息の控除

減収になる期間(基本は症状固定時から67歳までの年数)を計算し、その期間に対応する中間利息を控除します。中間利息は、またはをかけて計算します。

逸失利益は年毎に支払われるわけではなく、一括で支払われます。例えば20年間分の逸失利益を一括で支払った場合に発生するであろう利息をあらかじめ控除した額を支払うということになります。

特に事情がない場合は、基本的には年5%のライプニッツ係数を用いて計算するのが一般的です。

労働能力
喪失期間
ライプニッツ係数 新ホフマン係数
1 0.9524 0.9524
2 1.8594 1.8615
3 2.7232 2.7310
4 3.5460 3.5644
5 4.3295 4.3644
6 5.0757 5.1336
7 5.7864 5.8743
8 6.4632 6.5886
9 7.1078 7.2783
10 7.7217 7.9449
11 8.3064 8.5901
12 8.8633 9.2151
13 9.3936 9.8212
14 9.8986 10.4094
15 10.3797 10.9808
16 10.8378 11.5364
17 11.2741 12.0769
18 11.6896 12.6032
19 12.0853 13.1161
20 12.4622 13.6161
21 12.8212 14.1039
22 13.1630 14.5801
23 13.4886 15.0452
24 13.7986 15.4997
25 14.0939 15.9442
26 14.3752 16.3790
27 14.6430 16.8045
28 14.8981 17.2212
29 15.1411 17.6293
30 15.3725 18.0293
31 15.5928 18.4215
32 15.8027 18.8061
33 16.0025 19.1834
34 16.1929 19.5538
35 16.3742 19.9175
36 16.5469 20.2746
37 16.7113 20.6255
38 16.8679 20.9703
39 17.0170 21.3093
40 17.159 21.6426
41 17.2944 21.9705
42 17.4232 22.2931
43 17.5459 22.6105
44 17.6628 22.9230
45 17.7741 23.2307
46 17.8801 23.5337
47 17.9810 23.8323
48 18.0772 24.1264
49 18.1687 24.4162
50 18.2559 24.7019
51 18.3390 24.9836
52 18.4181 25.2614
53 18.4934 25.5354
54 18.5651 25.8057
55 18.6335 26.0723
56 18.6985 26.3355
57 18.7605 26.5952
58 18.8195 26.8516
59 18.8758 27.1048
60 18.9293 27.3548
61 18.9803 27.6017
62 19.0288 27.8456
63 19.0751 28.0866
64 19.1191 28.3247
65 19.1611 28.5600
66 19.2010 28.7925
67 19.2391 29.0224

後遺障害の慰謝料

傷害に対する慰謝料ではなく、後遺障害に対する慰謝料も別途請求可能です。後遺障害の等級によって慰謝料の金額が変わります。入通院慰謝料と同じく、自賠責保険基準、任意保険基準、裁判所・弁護士会基準の三つの基準から算出します。

後遺障害慰謝料の計算方法

自賠責保険基準

自賠法施行令別表第1、及び自賠法施行令別表第2より。

等級自賠責保険基準
第1級1,100万円
要介護の場合:1,600万円
第2級958万円
要介護の場合:1,163万円
第3級829万円
第4級712万円
第5級599万円
第6級498万円
第7級409万円
第8級324万円
第9級245万円
第10級187万円
第11級135万円
第12級93万円
第13級57万円
第14級32万円
任意保険基準

保険会社ごとに異なる。

裁判所・弁護士会基準

民事交通事故訴訟の損害賠償額算定基準より。

等級裁判所・弁護士会基準
第1級2,800万円
第2級2,370万円
第3級1,990万円
第4級1,670万円
第5級1,400万円
第6級1,180万円
第7級1,000万円
第8級830万円
第9級690万円
第10級550万円
第11級420万円
第12級290万円
第13級180万円
第14級110万円

後遺障害における将来の治療費請求

症状固定後の治療費は原則として認められておりませんが、後遺障害が残った場合は、症状が悪化した場合や、治療が必要な状況が発生した場合などは、治療費や付添看護費などを請求することができます。

また、後遺障害の影響で自宅を改装したり、自動車を改造したりするなどの費用、義足、車椅子、補聴器、義眼などの購入費も別途請求可能です。

死亡した場合の損害賠償

交通事故により被害者が死亡した場合、被害者の遺族は、以下の項目の損害賠償が請求可能です。

  • 死亡するまでの治療費
  • 死亡するまでの休業損害
  • 入通院慰謝料
  • 葬儀費用
  • 死亡慰謝料
  • 逸失利益

つまり、傷害による損害賠償のすべてと、死亡による損害賠償をプラスした損害賠償額となります。

葬儀費用

自賠責保険基準

被害者一人当たり60万円の定額となっています。

任意保険基準

保険会社ごとに異なる。

裁判所・弁護士会基準

130万~170万円程度。

死亡した場合の逸失利益

被害者が生きていれば得られたであろう将来の所得を逸失利益として請求することができます。

後遺障害の逸失利益と違って、死亡における逸失利益は、収入がすべて(100%)なくなる点です。被害者が生きていたら消費するであろう年間消費支出額(生活費など)を年収から控除して算出します。

「基礎収入(年収)」、「生活費控除率」、「就労可能年数に応じた中間利息の控除」から算出します。

基礎収入(年収) × (1-生活費控除率) × ライプニッツ係数 = 死亡における逸失利益

基礎収入

前年の年収。

収入がない人は、の男女別全年齢平均賃金に基づいた額。

生活費控除率

自賠責保険基準、裁判所・弁護士会基準など、一定の基準が設けられています。

一家の支柱
被扶養者一人の場合
40%
一家の支柱
被扶養者二人以上の場合
30%
女性
主婦・独身・幼児含む
30%
男性
独身・幼児含む
50%
就労可能年数に応じた中間利息の控除

死亡時の年齢から就労可能年数(基本は18~67歳になるまでの年数)を計算し、その年数に対応する中間利息を控除します。中間利息はをかけて計算します。

逸失利益は年毎に支払われるわけではなく、一括で支払われます。例えば20年間分の逸失利益を一括で支払った場合に発生するであろう利息をあらかじめ控除した額を支払うということになります。

被害者が67歳を超える場合は、厚生労働省から発表されている簡易生命表における平均余命の2分の1で計算します。

労働能力
喪失期間
ライプニッツ係数 新ホフマン係数
1 0.9524 0.9524
2 1.8594 1.8615
3 2.7232 2.7310
4 3.5460 3.5644
5 4.3295 4.3644
6 5.0757 5.1336
7 5.7864 5.8743
8 6.4632 6.5886
9 7.1078 7.2783
10 7.7217 7.9449
11 8.3064 8.5901
12 8.8633 9.2151
13 9.3936 9.8212
14 9.8986 10.4094
15 10.3797 10.9808
16 10.8378 11.5364
17 11.2741 12.0769
18 11.6896 12.6032
19 12.0853 13.1161
20 12.4622 13.6161
21 12.8212 14.1039
22 13.1630 14.5801
23 13.4886 15.0452
24 13.7986 15.4997
25 14.0939 15.9442
26 14.3752 16.3790
27 14.6430 16.8045
28 14.8981 17.2212
29 15.1411 17.6293
30 15.3725 18.0293
31 15.5928 18.4215
32 15.8027 18.8061
33 16.0025 19.1834
34 16.1929 19.5538
35 16.3742 19.9175
36 16.5469 20.2746
37 16.7113 20.6255
38 16.8679 20.9703
39 17.0170 21.3093
40 17.159 21.6426
41 17.2944 21.9705
42 17.4232 22.2931
43 17.5459 22.6105
44 17.6628 22.9230
45 17.7741 23.2307
46 17.8801 23.5337
47 17.9810 23.8323
48 18.0772 24.1264
49 18.1687 24.4162
50 18.2559 24.7019
51 18.3390 24.9836
52 18.4181 25.2614
53 18.4934 25.5354
54 18.5651 25.8057
55 18.6335 26.0723
56 18.6985 26.3355
57 18.7605 26.5952
58 18.8195 26.8516
59 18.8758 27.1048
60 18.9293 27.3548
61 18.9803 27.6017
62 19.0288 27.8456
63 19.0751 28.0866
64 19.1191 28.3247
65 19.1611 28.5600
66 19.2010 28.7925
67 19.2391 29.0224

死亡慰謝料

死亡慰謝料は、被害者が死亡したことによる精神的苦痛を補償する目的のものです。被害者本人分と遺族分があり、請求する権利を持つ遺族は、父母(義父母)、配偶者、子となります。

入通院慰謝料や後遺障害慰謝料と同じく、自賠責保険基準、任意保険基準、裁判所・弁護士会基準の三つの基準から算出します。

死亡慰謝料の計算方法

自賠責保険基準
被害者本人分
350万円
遺族分
請求権者1名550万円
請求権者2名650万円
請求権者3名以上750万円
被扶養者がいる場合さらに200万円
任意保険基準

保険会社ごとに異なる。

裁判所・弁護士会基準
一家の支柱2,700万~3,100万円
一家の支柱に準ずる2,400万~2,700万円
その他2,000万~2,500万円

物損に対する損害賠償

車同士の事故などの場合、車の修理費や、代車の使用料といったそれぞれの損害をに応じて負担することになります。

物損事故の場合は慰謝料の請求はできません。つまり、愛着のある車がぶつけられてしまった場合に生じるであろう精神的に苦痛に対する慰謝料は請求できないという意味です。

損害賠償額は可能な範囲で最大の金額を提示しましょう

加害者側に損害賠償金の金額を提示する場合は、上記の範囲内で考えられる限り、最大の額を提示するようにしましょう。

加害者側の保険会社は、会社の利益を最大限に考えるので、損害賠償費用をなるべく安く抑えようと交渉してきます。交渉のたたき台にする意味でも、まずは考えられる限りの金額を請求し、あとは交渉をやりやすくするのです。

また、一応基準はありますが、事故の状況によっては、基準以上の金額が請求可能な場合もあります。加害者側の飲酒運転だったり、ひき逃げなど、加害者側の非が大きい場合は基準は参考になりません。より多くの賠償金を得ることができる可能性があります。弁護士などプロの交渉人にお願いすることも検討しましょう。